抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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地球観測衛星の運用において,実際に衛星による撮像が行われる前に,撮像結果を確認したいという要求がある。なぜなら,画像の平均的な地上解像度は撮影条件から知ることができるが,局所領域の解像度は個々の地形の影響を受けるためである。Lentilucciらは,地表面上の3D物体の形状・双方向反射率分布関数を定義し,CG技術を用いることで,撮像画像を合成している。しかし,このように3D物体モデルを定義する作業は多大なコストを要するため,模擬対象が広域となる場合には適さない。そこで著者らは,衛星アーカイプ画像を利用し,衛星撮像の模擬を行うことについて検討した。衛星画像の良し悪しを地上解像度のみで判断するとすれば,アーカイプ画像の幾何的変換によって任意軌道・姿勢からの撮像模擬が可能である。以上の考えに基づき,本論文では,陸域観測技術衛星(だいち;ALOS)搭載のPRISMセンサ撮像アーカイプ画像を用いて,任意ポインティング角(衛星鉛直方向と衛星観測方向とのなす角)の撮像を摸擬し,生成された衛星画像の幾何的整合性を確認した。画像間のずれ量を計算した結果,ずれの標準偏差は衛星進行方向に0.68ピクセル,進行方向と直行する方向に0.61ピクセルであった。これは,市販のオルソ画像の精度(標準偏差3ピクセル程度)を上回っており,良好な結果であると言える。よって,模擬画像の幾何的な整合性が確認できたといえる。