抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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エーワン精密では従業員の稼働率を7割に抑える非効率な運用をすることにより,短納期という付加価値を創出していることを前回で説明した。これは在庫についても同じで,普通の経営者ならばかんばん方式に代表されるように,在庫をできるだけ圧縮するように考えるはずである。しかし,エーワン精密では在庫は必ずしも悪ではない。短納期を競争の長所とする一方で,品質面でもトップを誇っているが,高品質の製品を作るにはそれだけの時間がかかるものである。個々の製造工程でみるとむしろエーワン精密の方が競合他社よりも時間をかけているケースが少なくないという。この短納期と高品質という矛盾した要請を解決するための方策が「良い在庫」である。エーワン精密設備投資に非常に熱心で職場のOA化に関してもいち早く1970年代からオフィスコンピュータを導入している。しかし,注文伝票はいまだに手書き,工場へはファクスで送るというアナログぶりである。エーワン精密では完成品に対する最終検査も行わない。各工程できちんと検査し,完璧な製品が出来上がるように仕組みを作っているので完成品の段階で改めて最終検査をするのは効率が悪いという。古き良き日本そのままのウェットな企業で,従業員の定着率も極めて高いのである。