抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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新潟県では平成19年度にダストモニタを更新し,20年度から,集じん位置及び1ステップ後(6時間後)の位置における全β放射能/全α放射能比(以下「β/α比」という.)の監視を開始した.平常時のβ/α比は大気中の天然放射性核種に由来するものであり,ほぼ一定の値を示すことが知られている.一方,原子炉中で生成される放射性物質は,
54Mn,
60Co,
137Cs等ほとんどがβ線を放出する核種であり,発電所からこのような放射性物質が放出された時には,β/α比が増加するものと考えられる.このため,β/α比は,発電所からの異常放出を早期検知するための指標として有用と考えられる.しかし,これまでの監視結果から,平常時であっても集じん開始直後の全α放射能が低値の場合には,β/α比が大きな値となることが問題となっていた.本報告では,β/α比を算出する際に,全β放射能と全α放射能の計数にしきい値を設定し,これよりも低い場合を集計から除くことによってβ/α比の変動がどのように改善されるか検討した.また,天然放射性核種であるラドンの壊変生成物がほとんど減衰した1ステップ(6時間)後のβ/α比については,平成23年第1四半期において,東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故由来の人工放射性核種による上昇が認められたが,集じん位置におけるβ/α比はそのような上昇は認められなかったため,全α放射能又は全β放射能上記のしきい値を設定することにより,改善が見込まれるか検討した。