抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究の目的は,インドネシアの北スマトラにおける2000年以降のコメ生産および土地利用の変化を理解するため,関連する政府機関のデータを用いて,その変化に影響する気候および社会経済的要因の組合せを調査することである。インタビューや重点的なグループミーティングも行って,データ利用可能性の制限を乗り越えた。本研究で,水稲生産性の一貫した増加は,水稲の収穫面積の減少で相殺され,結果として,北スマトラにおける過去10年以上は米の生産量が増加していないことがわかった。対照的に,アブラヤシのプランテーション,特に,小自作農の所有地がこの州で拡大している。土地利用の変化に影響する要因として,次の4つが確認される: 1)気候条件,2)経済環境,3)水稲作付指数,および4)パーム油企業地からの距離。水稲の収穫面積の実質的な減少時期においては,異常な気象条件が北スマトラの異なる行政区で観察され,2006年の場合のように,州都のメダンでは,過去20年間で最も高い年間降雨量を記録した。水稲作付指数やパーム油企業地への近接性--この両方は州で変動するが--に対する農家の反応は,次の3つに区別できる: 1)米生産からアブラヤシのプランテーションへの土地利用転換,2)他の現金作物への転換,3)米生産に留まる。アブラヤシは降雨の変動性に強く,農家の観点からすると,水稲からアブラヤシへの土地利用転換は確実性のある適応とみなされる。しかしながら,大規模な転換は,社会全体としての食料安全保障への脅威と考えられる。以上のことから,対応策は,異なる社会集団間,並びに,適応行動間や他の開発優先度間におけるトレードオフと直面することが示唆される。(翻訳著者抄録)