抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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対地コンデンサを利用した形態のPWMインバータにおいて,零相電圧を積極的に利用した漏れ電流低減方法を提案した。特に,一般的な駆動条件で最もノイズが大きくなる零電圧出力の場合を対象として,モータの巻線-フレーム間に存在する浮遊容量を通じて漏れる漏れ電流について評価した。この零電圧出力の条件は,昇降機の駆動開始や停止の場合,サーボ装置のサーボロックの場合など,極低速で高トルク出力の条件に相当し,漏れ電流によって,周辺機器のみならず自機器の誤動作をもたらす恐れが高まる。対地コンデンサを使用した場合の回路構成において,零相成分を利用した漏れ電流の低減方法を提案し,以下の結論を得た。1)電圧指令値に零相電圧を重畳することにより,インバータが出力する零相電圧の矩形波電圧形状(デューティ比)を変化させることができ,キャリア周波数の電圧成分を低減できる。これにより,漏れ電流を低減できることを示した。2)シミュレーションと実験により,指令値に重畳する零相電圧を大きくするほど漏れ電流の低減効果を大きくできることを示した。また,シミュレーション結果と実験結果はよく一致していることから,提案方式の理論およびシミュレーションの妥当性を確認した。3)実機検証の結果,零相電圧指令として50√2V重畳した場合,従来法と比較して漏れ電流を70%低減できることを確認した。また,零相電圧を90√2V重畳した場合,従来法と比較して漏れ電流を70%低減できることを確認した。提案法は,指令値に零相電圧を重畳するソフトウェア処理のみで漏れ電流を低減できるため,特に,零速度・高トルクの出力が要求される用途において,ノイズ対策部品の小型化を実現しつつ周辺機器の誤動作の防止に寄与できると考えられる。