抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2012年は,大マゼラン星雲での超新星爆発が観測され「ニュートリノ天文学」が誕生した1987年からちょうど25年目にあたり,ニュートリノ研究にとっても節目となる年である。この25年間にニュートリノの素粒子的描像は一変した。大気ニュートリノ観測によりニュートリノ振動が発見されニュートリノが質量を持つことがわかり,長年の懸案だった太陽ニュートリノ問題もニュートリノ振動が原因であることがわかった。加速器や原子炉を使ったニュートリノ振動研究も盛んに行われた。現在,質量階層性とCPフェーズを除くすべてのパラメータが決定された。ニュートリノをプローブとする天体物理学においては,SN1987Aのニュートリノ観測により超新星爆発の基本的な描像が正しかったことが証明され,またニュートリノ振動の効果を補正すれば太陽からのニュートリノは標準太陽モデルの予想と良く一致することがわかった。一方宇宙から届く高エネルギーニュートリノは宇宙線起源を調べる有用なメッセンジャーでもある。2011年に完成したアイスキューブ実験が本格観測を開始して,既に宇宙線起源に幾つかの重要な制限を加え始めている。(著者抄録)