抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
堆積物によるアンモニウムイオンの吸着の重要性を明らかにするために有明海および八代海の干潟堆積物を採取し,KClを用いた抽出方法による堆積物中の吸着態アンモニウムイオン(adsorbed NH
4+)の定量およびadsorbed NH
4+の塩分依存性を明らかにした。adsorbed NH
4+と間隙水中のアンモニウムイオン(dissolved NH
4+)の比較を行った結果,adsorbed NH
4+はadsorbed NH
4+とdissolved NH
4+の和の約80~90%を占めていることが明らかになった。砂質の堆積物でも約80%がadsorbed NH
4+であったことから,堆積物からのNH
4+の溶出にadsorbed NH
4+が重要な役割を果たしていることが示唆された。adsorbed NH
4+はdissolved MH
4+と線形の関係があり,含泥率が高いほど吸着係数は大きな値を示した。有明海湾奥部干潟域における堆積物の吸着係数は他の海域と比べて著しく高い値であり,塩分0~10psu程度で急激に吸着係数が減少することから,堆積物の再懸濁後や低塩分水の流入によって海水中および堆積物中のアンモニウムイオンの動態に重要な役割を果たすことが示唆された。(著者抄録)