抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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林床植生は森林の動態を推察する指標の一つとなりえると予測されている。ここでは,多様な常緑針葉樹が生育している富士山の亜高山帯で,常緑針葉樹林の木本構造及びその実生の空間分布を中心に,林床の植生や周囲の環境を調査・比較した。それにより,常緑針葉樹の分布とその実生定着の制限要因を明らかにし,その森林の動態を推測した。4つの調査区を設置し,樹木構成,林床環境を調査した。その結果,シラビソは遷移段階が異なる多様な森林を広範囲に形成しており,シラビソの実生の定着と林床環境の関係性について「遷移初期で土壌が未発達の場合,栄養塩類の量が多いと実生は生育しやすい」,「日射量が多いと実生の発芽後の生育と定着が起こりやすい」,「落葉期のうち積雪のない時期に十分な日射を得ず,光合成量が少ないと実生は枯死する」,「実生が生育する場所の水分保持能力が低いと,日射が急激な乾燥を引き起こす」という4つの仮説を立てることができた。