抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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力学における角運動量保存則の適用例としてよく用いられる,十分細いポールに糸でつながれたおもりの滑らかな台上での円運動,および十分細い鉛直ポールにつながれた単振り子のポールまわりの円運動について考察する。この2つの系はともにおもりの円運動によって糸がポールに巻き付きその結果円運動の半径が徐々に減少する。糸の張力は中心力と考えられるので角運動量は保存し,おもりの速度は円運動の半径に反比例して増大するはずである。後者の実験では摩擦力がほぼ無視できるので角運動量保存則が確認しやすいとの期待の下,実験を行ったところ,おもりの速度は円運動の半径に反比例して増大するどころか逆に減少した。この小論ではこの角運動量保存の破れの原因を明らかにし,前者の例では例え台からの摩擦力が無視できる極限でも角運動量保存は破れ,その極限でおもりの速度は円運動の半径が減少しても不変であることを示す。また,後者の例についても,角運動量保存の破れを正しく考慮すれば,円運動の半径の減少に対する速度の減少の様子についての実験結果を理論的に精確に再現することができることを示す。(著者抄録)