多孔性配位高分子における配位不飽和サイトの化学

田代省平

文献

J-GLOBAL ID：201302211739906909 整理番号：13A1171317

多孔性配位高分子における配位不飽和サイトの化学

Chemistry of Coordinatively Unsaturated Sites in Porous Coordination Polymers

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資料名：
巻： 60 ページ： 32-34 発行年： 2012年11月30日
JST資料番号： L7014A ISSN： 1882-6954 資料種別：逐次刊行物 (A)
記事区分：解説発行国：日本 (JPN) 言語：日本語 (JA)

本稿では,高性能・高機能な多孔性配位高分子(PCP)を設計するための指針の一つとして,金属イオンの配位不飽和サイトを機能中心として活用した最近のトピックスを紹介する。空孔内に金属イオンの配位不飽和サイトを露出させる工夫として,金属有機フレームワーク(MOF)内の金属イオンに配位した溶媒分子を減圧・加熱操作により取り除く方法がある。MOFやPCPの代表的な機能としては,ガスの吸蔵・分離が挙げられる。Cu₂(btc)₂やZn₂(dobdc)の配位不飽和サイトが水素分子の捕捉部位として働くことが粉末中性子回折より明らかとなった(btc:1,3,5-ベンゼントリカルボキシラート,dobdc:2,5-ジオキシド-1,4-ベンゼンジカルボキシラート)。Fe₂(dobdc)はオレフィンとパラフィンの分離に有効であり,オレフィンはFe²⁺に比較的強く結合する。Co₂(dobdc)はプロピレン-プロパンの分離に優れた性能を示す。配位不飽和サイトとガス分子との相互作用は触媒・酵素モデルとしても興味深く,低温下のFe₂(dobdc)において酸素ガスを導入すると,一部で酸化還元が生じてスーパーオキシドが生成し,配位不飽和サイトにO₂またはO₂^-が配位する。室温では酸素はO₂^2-へと二電子還元されて,配位不飽和サイトへ捕捉される。配位不飽和サイトを有するMOFおよびPCPについては,生物無機化学や触媒分野への展開も期待される。

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遷移金属錯体一般 , 物理的手法を用いた吸着の研究

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引用文献 (11件)：

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