抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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三河湾東奥部に位置する六条潟では毎年アサリ稚貝が大量に発生し移植用に採集されているが,埋め立て護岸や航路等の人工構造物に囲まれているため深場から湧昇する苦潮の影響を受けやすい条件下にある。アサリ稚貝を安定的に供給するため,六条潟におけるアサリの着底直前のフルグロウン期浮遊幼生の出現,稚貝の着底,着底後の移動の状況について調査した。2011年はフルグロウン期幼生が5~7月,9~11月と長期間出現した。六条潟は着底直前の浮遊幼生の来遊機会に恵まれており,幼生の出現ピークの後に稚貝の発生がみられることから稚貝着底に極めて適している場所であることが示唆された。9~11月のフルグロウン期幼生は,六条干潟で夏季に二枚貝が絶滅した後に来遊・着底しており,アサリ浮遊幼生の供給源は三河湾の他の沿岸であることが明らかになった。6,7月の稚貝は干潟縁辺部に着底して留まり,密度が減少した。11,12月の稚貝は干潟の縁辺部に着底した後,高側へ移動する傾向がみられた。今後,稚貝の調査とあわせて砂の移動と干潟上の流動方向の強さとの関係および豊川から運ばれて来る砂との関係を解明する必要がある。