抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本稿では,中小規模の中央卸売市場の具体的な再編方策として注目されている「地方卸売市場への転換」と「指定管理者制度の導入」の意義と問題点を実態調査結果や理論的考察を交えながら検討・考察する。そして,今後の市場再編方策のアウトラインを提示することを課題とする。卸売市場は,消費者の食を支える生鮮食料品の流通拠点として機能するとともに,農産物や水産物の円滑な流通を通して農業・水産業の振興にも重要な役割」を果たしてきた。しかし,高度経済成長期における大都市圏への人口集中や食に対する消費者ニーズの大きな変化を起点として,卸売市場を取り巻く環境は激変した。すなわち,流通チャネルの多様化の結果,卸売市場においてはセリ取引が減少・形骸化し,取扱高の低下,市場会計および関連業者(卸売業者,仲卸業者)の経営収支の悪化が顕著となった。このような環境変化を背景として,国は,中央卸売市場の再編・淘汰を打ち出した。これらの中央卸売市場に関わる法規制は量販店他への対応を目的として,その内容を変化させてきたが,未だ様々な問題を抱えている。特に,中央拠点市場としては機能し得ないような地方の中小中央卸売市場にとっては「中央」であることのメリットよりも,規制によるデメリットの方が大きいかもしれない。その場合,市場の運営方式を根本的に変えるという意味で,「地方市場化」や「指定管理者制度の導入」は考慮すべき有力な選択肢の一つだといえる。