抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では客を探して移動を続ける流しのタクシーに対して,効率良く客を発見できる地域を提示できるルールの構成とその調整手法を提案する。タクシー業界は,2002年の道路運送法の改正による規制緩和により新規参入や既存会社の増車が続いており,過当競争が懸念される。タクシー業界ではこれまで客の探索場所をドライバー個人の経験に依存してきたが,客の多い場所を知らない新人の増加により,効率良く客を探索できる行き先を提示できるシステムが必要とされている。本論文では,複数のタクシー会社が競合する状況下において自社の流しのタクシーを対象に効率的な客探索エリアを指示するための優先度ベースルールを構築し,その調整方法として,遺伝的機械学習(GBML)を用いる手法を提案した。タクシー車両配車問題は,多くの不確実性が存在する最適化問題である。本手法では,まず問題の対象領域を分割してエリアとし,その中からタクシーの目標とするエリアを決め,ドライバーは指示されたそのエリア内で客を探索する。目標エリアを決定するルールとして,観測できる情報(天候や過去に自社車両に乗った客など)から対象車両に対する各地域の優先度を求め,最も優先度の高い地域を指示する優先度ベースルールを適用する。また,遺伝的機械学習により,優先度ベースルールの調整を行う。いくつかの典型的な状況を想定した例題について,シミュレーション・ベースで優先度ベースルールを適用し,簡単な方針の下で構築したルールと比較した。その結果,これらの状況下においては,本手法が効率的なエリアを指示することができる枠組みであることが示された。