抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
九州北部のスギ・ヒノキ人工林小流域での水移動にともなう溶存有機炭素(DOC)と溶存無機炭素(DIC)の動態を明らかにするため,降水,林内雨,落葉層(A0)通過水,土壌水,湧水,渓流水中のDOC,DIC濃度を調査した。DOC,DIC濃度とも,降水<林内雨<A0通過水と高まるが,土壌水,湧水で低下し,渓流水でやや高まる変化を示した。DOCの年移動量は,降水で17.1,林内雨で75.8~186,土壌水で4.4~6.6,渓流水で21.8kg ha<sup>-1</sup>y<sup>-1</sup>であった。土壌水でのDOC移動量の顕著な低下から土壌浸透過程でのDOCの吸着・分解が示唆された。DICの年移動量は,降水で1.5,林内雨で2.2~13.5,土壌水で0.0,渓流水で38kg ha<sup>-1</sup>y<sup>-1</sup>であった。渓流水での顕著なDIC移動量の増大から風化層中の水移動過程において,鉱物の風化にともないHCO<sub>3</sub><sup>-</sup>濃度が増大していることが示唆された。(著者抄録)