抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2011年3月11日に発生した東日本大震災による原発事故が放射性物質拡散を引き起こし,放射能汚染が深刻化している。これら放射性物質の環境への拡散防止や抑制策の一つとして,セシウム(Cs)137やストロンチウム(Sr)90などの放射性元素を高効率で迅速に吸着する無機イオン交換体の開発が注目されている。セシウムイオンに関してはプルシアンブルー系の吸着剤や結晶性ケイチタン酸および各種ゼオライトが使用されているが,オールマイティな吸着剤は存在しないため,複数の吸着剤を効率よく使用することが望まれる。これまでケイ酸カルシウム水和物の一種であるトバモライトを無機廃棄物から合成し,カドミウムイオンや鉛イオンの吸着性を調べてきた。今回の原発事故を受けて,この吸着剤をCsイオンやSrイオンの回収に利用できないかと考え,CsやSr用の吸着剤を作り,その吸着性を評価したので一部を紹介した。本稿では,吸着剤開発の基本コンセプト,吸着実験,吸着剤の合成と評価などについて解説した。