抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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がん臨床研究の一つの目標は,背景因子,進行程度,あるいは遺伝子情報などから予後を適切に予測することである。近年,高い予測確度をもつアンサンブル学習法の生存時間研究への拡張が報告されている(Ishwaran et al.,2008;Ridgeway,2007)。しかしながら,これらの方法では,推定されたモデルをブラック・ボックス化するため,予後に対する樹木モデル(基本学習器)の影響を提示できない。本論文では,Friedman and Popescu(2008)を生存時間解析に拡張した生存時間ルール・アンサンブル法を提案した。生存時間ルール・アンサンブル法は,ルール(基本学習器)の真偽に対するハザード比をElasticNet罰則法により推定された回帰パラメータ(ルール重要度)により提示できる。また,基本学習器に修正線形項を加えることができるため,真のモデルが線形構造をもつ場合にも対処できる。生存時間ルール・アンサンブル法の適用は,文献事例により評価した。性能の評価は,数値検証を通して,既存の生存時間アンサンブル法(生存時間RandomForest法,一般化Boosting法,生存時間Bagging法)と比較した。その結果,生存時間ルール・アンサンブル法は,ルール重要度を通してモデルに影響を与える基本学習器を評価できただけでなく,既存の生存時間アンサンブル学習法に比べて予測確度が向上することが確認できた。(著者抄録)