抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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1582(天正10)年,岡山県の備中高松で備中高松城水攻めが行われた。近年の研究では,備中高松城の西側の自然堤防を利用した上で基底幅21m,上幅10m,高さ7mの水攻め堤が3kmにわたって築かれたとされているが,わずか12日間でこの巨大な堤防が本当に築けたのか。その信憑性が疑われている。そこで本研究では,流出解析と氾濫解析を組み合わせた水攻めモデルを開発し,水攻め堤の有無と高さによる複数のシナリオで備中高松城水攻めを再現して,水攻めの条件について考察した。その結果,水攻めには上述したような巨大な堤防は必要なく,足守川からの水の流入,備中高松城西側の自然堤防,それに接続する南側の蛙ケ鼻周辺の水攻め堤があれば十分であることが示された。また,この結果と史料を考慮すると,蛙ケ鼻周辺の水攻め堤は,その高さが約3.0mであったと考えるのが合理的であるという結論に至った。(著者抄録)