抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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住田町八鉢鉱山にて採集された金鉱石の安定化処理を行い,その組成を解析した結果,主として石英,方解石,および長石と推定される鉱物からなる石部に金鉱石が混在した資料であることが分かった。金鉱石はその大半が金から成る純度の高い鉱石である。この結果は同鉱山の地質鉱床の成因と整合する。さらに気仙地方の河川から採集される砂金は,金を主成分とし少量の銀を含む組成であることがこれまでの調査で確認されている。これらの結果は気仙地方から良質な金鉱石が採集可能であったことを示している。文献史料上からは,中世以降同地方が産金地として認識されていたことが確認されており,奥州藤原氏も気仙産金に関与したと伝承される。柳之御所遺跡出土金鉱石の組成は,今回の調査結果および先行研究と整合する。住田町八鉢鉱山採集金鉱石をはじめとする気仙地方の産金関係資料は,前近代の国内における金の供給の実態を検討するうえで重要な資料である。(著者抄録)