抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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有機半導体材料を用いた電子素子の特徴の一つとして,曲げや圧縮,折りたたみなどの変形にも絶え得る柔軟性を挙げることができる。素子自体が自在に変形できるために,曲面や凸凹面などに設置した圧力センサー,立体スキャナー,携帯型ディスプレイ,太陽電池など,様々な応用が期待される。本稿では,柔軟な電子素子の実現に向け,曲げなどの変形に対する応力を回避する手法として,基板の厚さを極限的に薄くした有機電界効果トランジスター(OFET)の作製を試み,曲げ変形と電気特性を評価した結果を報告する。材料力学に基づいた柔軟な電気素子の構造設計原理を提案し,それを柔軟なOFETに適用した。変形による曲げ応力を避けるために,厚さの制御できる高分子基板上にOFETを作製した。ポリイミド前駆体をガラス基板上に回転塗布し,アニーリングを行った。また,真空システムで堆積したペンタセンをOFETのチャネル層として採用した。曲率半径と電気的特性との相関を評価した結果,超薄膜基板の使用は変形した素子の歪みを制御するのに有効であることが分かった。更に,I
d-V
dのような電気特性は曲率半径に依存しないことが分かった。これらの結果は,将来における柔軟なエレクトロニクス技術への応用が期待される。