抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
本研究は,フラクタル次元を援用した眺望景観記述の試論に関し,中世都市における主要施設からの山稜景観を事例として報告した。先ず,研究の目的と構成および特徴に関し,本稿は,景観特性を定量的に記述するという一連の研究の流れのなかで,複数の視点場からみた眺望景観の形態的特性について,フラクタル次元(以下,F次元)を算定し,その結果の統計処理を行った上で,F次元の解釈に基づく景観記述が有効であることを検証することを報告した。次に,山陵景観のF次元に関し,ボックスカウンティング法による算定,仮定モデルの設定と山陵景観の形態的特性を報告した。更に,ケーススタディの方法に関し,対象地と視点場の設定,仮定モデルのAIC(赤池情報量規準)検定の有効性を報告した。加えて,F次元を用いた施設周辺の景観特性に関し,分析の対象とAIC検定の総括,平安京・鎌倉における宗教施設周辺の景観特性,平安京の御所邸宅と宗教施設周辺の景観特性,平安京と平泉における主要施設周辺の景観特性を報告した。最後に,まとめとして,本稿では,中世都市における山稜景観の形態的特性について,F次元を援用して記述したこと,その結果,各都市の主要施設の地域特性の相似性や相違性に関する既知の事実について,施設周辺の山稜景観の形態的な側面から検証することができたこと,さらに,主要施設を視点場とする山稜景観の形態的特性を,定量的に記述することができたこと等を報告した。