抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究は,東北地方太平洋沖地震による火災のうち沿岸地域で起きた市街地火災に焦点を当て,消防・消防団・住民にヒアリングを行い,出火原因,延焼要因,消防・避難阻害要因を集約することを目的とする。目視またはヒアリング情報によって火災発生箇所を把握した後,調査者がGPSを持ち地面の焼損状況なども確認しながら延焼領域の外周を回る。これによって軌跡がデータ化され,このデータを地図データと重ね合わせることで延焼範囲の同定が可能となる。これによって著者らが明らかにした津波火災の延焼面積合計は約78.4haであった。ヒアリングの結果,出火源は,破壊された家屋によるもの,プロパンガスボンベによるもの,自動車によるものが挙げられる。多数のタンクから流出したオイルが浮遊する瓦礫を介して市街地延焼を助長した可能性が高い。道路を埋めた流木が導火線になって家屋から家屋へ延焼するなど,市街地の火災安全機能が十分に確保されなかった可能性を示唆している。