抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
近年,デオキシリボ核酸(DNA)の応用は,DNAコンピュータやDNAデータ埋込など台頭する分野に多様化している。DNA透かしやDNAステガノグラフィとしても知られるDNAデータ埋込は,DNAに非遺伝情報をコードさせるためのロバストアルゴリズムの開発を目的としている。生来DNAはヌクレオチド塩基がデジタルシンボルとして働くデジタル媒体であり,全ての生物情報技術の柱となる事実であり,また,DNAを用いた微細情報コーディングを単純にするものである。しかしながら,生きている生物のゲノムに情報を埋め込むことを目的とする方法において,状況はより複雑である。DNAは突然変異を受けやすく,それはDNAを用いてコードされた情報という観点からはノイズのあるチャンネルとして働く。このことは,DNAデータ埋込分野がデジタル情報伝達と密接に関係することを意味する。さらに,それは特に独特なデジタル情報伝達分野である。なぜなら,重要な生物学上の制約が全ての手法に見られるに違いないからである。多くのDNAデータ埋込アルゴリズムが今日までに提示され,その全てが非翻訳DNA(ncDNA)あるいはタンパク質コードDNA(pcDNA)という2領域の内1つで作動する。本稿では,合わせてBioCodeと呼ばれる,それぞれncDNAおよびpcDNAで作動し,より厳しい生物学的制限に完全に従う,2つの新規DNAデータ埋込アルゴリズムを提案した。既存法は,pcDNAにおける保存タンパク質翻訳などいくつかの基本的な生物学的制限に従う。しかしながら,これまでのDNAデータ埋込法が対応していない,さらなる生物学的制限が存在する。これらの制限を観察することが,生物適合性を高め,そしてDNAにコードされた情報のロバスト性を高める鍵となる。理論および経験的(in silico)解析によって示したように,このアルゴリズムはコーディングという観点からほぼ最適の方法で情報をコードする。また,突然変異が隔絶された影響しか示さないロバストな方法で情報をコードする。さらに,ほぼ最適な埋込率を達成しつつ,保存されたコドン統計は,BioCodeのpcDNAもまた一次ステガノグラフィ法としてほぼ最適であることを示唆する。(翻訳著者抄録)