抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
東日本大震災時,女川原子力発電所は,福島第一原子力発電所と同じ規模の津波や地震に見舞われたにもかかわらず,冷温停止に至った。主な要因として,第一に敷地が津波最大高さより高かった事,第二に,非常用ディーゼル発電機(DG)と外部電源が使用可能であったことが挙げられる。更に,適切な準備(耐震余裕度向上工事,津波高さ予測評価の適宜実施,火災や外部電源喪失に対する継続的な訓練等)が効を奏したと考えられる。敷地高さについては,1号機の設置許可を申請する際,津波数値シミュレーションのなかった時代,文献調査や聞き取り調査から約3mと推定したが,「869年の貞観や1611年の慶長等の地震による津波はもっと高くなる」という議論もあり,敷地高さを14.8mに決定した。3月11日の地震や津波に対しては適切に対応できたが,更なる安全対策が必要である。第一は,福島第一原子力発電所事故からの教訓(津波対策,電源強化,閉じ込め機能の強化等)である。第二に,更なる耐震裕度向上工事である。2012年4月に,約3m高さの防潮堤を,また海水ポンプ周囲に約2mの敷地高さの防潮堤を建設した。更に,過酷事故が起きたとしても環境への影響を緩和するために,フィルター付PCVベントシステムを設置することを計画している。