抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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著者らは以前にポートフォリオのリターンをファクターを用いて説明するファクターモデルとして資本資産価格モデル(CAPM)を用い,日本のインターネット株式掲示板の分析によって投稿内容が株式リターンを説明することを示した。本論文では,投稿内容の強気・弱気判定に基づく強気指数以外のファクターの有意性を検証するために,投稿内容から作成した主成分に基づく新たなファクターを提案した。具体的には,1)投稿の取得,2)形態素解析,3)TF・IDF(Term Frequency・Inverse Document Frequency)値の算出,4)主成分分析,5)月次平均主成分得点と月次リターン・強気指数の相関,6)月次平均主成分得点に基づくポートフォリオの作成,7)CAMPにおけるアブノーマルリターンの確認,8)主成分得点を用いたファクター(PCAp)の検証という手順を採用した。実際にYahoo!株式掲示板の東証一部上場銘柄を対象に6年間の投稿を分析したところ,5)で相関が見られた主成分のうちアブノーマルリターンが出現する主成分ポートフォリオの存在が確かめられた。また,PCApをマルチファクターモデルとして展開し,アブノーマルリターンが出現しなかった3つのファクターがリターンを説明できる新たなファクターとなる可能性を示した。