抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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実環境における音声認識を用いた情報案内システムでは,雑音等の非音声やユーザ同士の背景会話など,システムへの入力として不適切な入力が存在する。これらの入力はシステムの誤作動・誤認識の原因となるので,システムへの入力として適切な入力(有効入力)と不適切な入力(無効入力)の識別を行い,無効入力を棄却することにより,無効入力に対する応答処理を行わないことが重要である。従来,有効入力と無効入力との識別には,メル周波数ケプストラム係数などの音響的特徴量によるGMM(Gaussian Mixture Model)が用いられる。しかし,入力データの音声認識結果から得られる言語的な情報を使うことにより,システムのタスクを考えたうえで有効入力と無効入力の識別が可能になると考えられる。そこで本論文では,音響特徴量にBag-of-Words(BOW)を言語的特徴量として併用した無効入力の識別を検討した。識別手法としては,サポートベクタマシン(SVM)および最大エントロピー法を用いた。実験には実環境音声情報案内システム「たけまるくん」の入力データを用いた。SVMによる識別結果では,GMMによる音響尤度のみを用いた場合に比べて,BOWを用いた場合,F尺度を82.19%から85.41%に改善することができた。さらに,GMMによる音響尤度,発話時間,SNRを組み合わせた特徴量にBOWを追加することで,F尺度を86.58%まで改善することができた。詳細な分析の結果,BOWは特に無効入力の誤受理を減らす効果があることが示された。(著者抄録)