文献

J-GLOBAL ID：201302240820995908   整理番号：13A0038928

脳を再構築する炎症

Inflammation to Rebuild a Brain

著者 (1件)： STELLA Nephi (Univ. Washington, WA, USA)
資料名： Science  (Science)
巻： 338  号： 6112  ページ： 1303-1304  発行年： 2012年12月07日 
JST資料番号： E0078A  ISSN： 0036-8075  CODEN： SCIEA  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： アメリカ合衆国 (USA)  言語： 英語 (EN)

抄録/ポイント： ヒトの神経変性症では炎症を随伴する例が知られている。組織破壊で動員されるエフェクター細胞には炎症誘発性と抗炎症性のもの,脳のミクログリアも含めマクロファージではそれに対応してM1とM2があるが区別はあいまいである。Kyritsisらによれば,ゼブラフィッシュ成魚で脳損傷すると,哺乳類と異なり,炎症がロイコトリエンC4(LTC4)を介して脳を再生することを見つけた(Science 338,1353-1356,2012)。この分子機構の成分は脳再生を促進する治療標的となるだろう。このとき哺乳類と同様にグリアから分泌されるS100β蛋白質が増加するが,神経細胞の分化と生存を促進するのか,損傷性の炎症を長引かせるのか,不明なままである。免疫応答細胞と神経前駆体細胞の両方で転写因子Gata3が遺伝子発現のスイッチをしている可能性が示唆されたが,再生治療戦略の標的となりえるかも不明である。神経再生との関係での免疫系の研究は新たな治療法へとつながっているだろう。

シソーラス用語： ゼブラフィッシュ ,  *炎症 ,  *神経再生 ,  生物学的比較 ,  哺乳類 ,  S-100タンパク質 ,  DNA結合タンパク質 ,  転写因子 ,  オリゴペプチド ,  ロイコトリエン
準シソーラス用語： GATA-3 ,  S100B

分類 (3件)： 神経の基礎医学  (GN01020W) ,  発生と分化  (EJ16020W) ,  生体防御と免疫系一般  (ED01010F)

物質索引 (1件)： ロイコトリエンC4

タイトルに関連する用語 (3件)： 脳 ,  再構築 ,  炎症