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J-GLOBAL ID：201302241595218146   整理番号：13A1383974

黄檗の成分分析による染織文化財の産地同定に関する研究-日本産と中国産の識別-

著者 (3件)： 佐々木良子 (京都工繊大 美術工芸資料館) ,  藤井健三 (京都工繊大 美術工芸資料館) ,  佐々木健 (京都工繊大)
資料名： 考古学と自然科学  (Archaeology and Natural Science)
号： 63  ページ： 71-88  発行年： 2012年08月30日 
JST資料番号： L5486A  ISSN： 0288-5964  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 黄檗に含まれるプロトベルベリン類は特徴的な可視吸収スペクトルと蛍光特性を有するため,非破壊的検出が容易である。この分光分析とHPLCによる成分組成分析を組み合わせ,現代黄檗標準品ベルベリンに対するパルマチンとジャトロリジン含有比率を指標として導入することで,日本産と中国産の文化財染織品の区別が可能であるかどうか検討した。主成分ベルベリンに対するパルマチン比率(P/B)とジャトロリジン比率(J/B)が中国産と日本産黄檗とで大きく異なっていることを見出した。各種現代黄檗で染めた絹布からの抽出液を分析し,P/BおよびJ/B比率を求め,それらを2軸とする相関図を作成した。日本産ではJ/B比が1~5%,P/B比が2.5~20%に渡る広い範囲に分布していたが,中国産はJ/B比が1%以下,P/B比が2.5%以下と極めて大きなJ/BならびにP/B比率を有する範囲に存在した。京都工芸繊維大学所蔵品内の日本と中国様式の黄檗染織品の分析結果は,これらのJ/B比とP/B比との相関図を用いた産地推定と一致したことから,本手法による産地特定が可能なことを示す。

シソーラス用語： *キハダ【植物】 ,  製織 ,  *染色 ,  *プロトベルベリンアルカロイド ,  *生体成分分析 ,  蛍光分析 ,  高速液体クロマトグラフィー ,  比率 ,  計測 ,  *絹 ,  日本 ,  中華人民共和国 ,  地域差 ,  *鑑別 ,  フェノール類 ,  ピリジニウム ,  フェノールエーテル ,  芳香族縮合化合物 ,  窒素複素環化合物 ,  酸素複素環化合物
準シソーラス用語： 含有比 ,  *産地判別 ,  染織 ,  文化財 ,  文化財計測

分類 (3件)： 特用作物一般  (FC03071W) ,  染料  (YJ05000I) ,  植物の生化学  (EH01050J)

物質索引 (3件)： ジャトロリジン ,  パルマチン ,  ベルベリン

引用文献 (24件)：

• 姉帯正樹・林 隆章・山岸 喬1987「黄柏中のベルベリン型アルカロイドの定量」北海道衛生研究所報 37 pp.18-21
• 梶 勝次・佐藤孝夫・山岸 喬・中野道晴1989「キハダ内皮のベルベリン含量の個体および産地間差異」北海道林業試験場研究報告27pp.84-91
• 姜 東孝・山本 豊2010「黄柏 PHELLODENDRI CORTEX」栃本天海堂60周年記念誌株式会社栃 本天海堂pp.148-159
• 相楽和彦・伊藤裕二・尾島光春・大島俊幸・吉田継親・糸川秀治1986「イオン対クロマトグラフィーに よるオウレン,オウバク及び漢方方剤中のベルベリン型アルカロイドの定量」分析化学35pp.326- 329
• 佐々木良子編2008「裂地を辿る展 カタログ」京都工芸繊維大学

タイトルに関連する用語 (8件)： 成分分析 ,  染織 ,  文化財 ,  産地同定 ,  研究 ,  日本 ,  中国 ,  識別