抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,都市圏のラッシュ時間帯において慢性的に発生する列車の小規模の遅延に対して,利用者からの不満が多い。鉄道会社は,広範囲に影響を及ぼし,かつ,頻繁に発生する一次遅延を摘出することに興味を持っている。その理由は,何らかの手段によって,そのような遅延の発生を防止することができれば平均的な運行状況を大幅に改善できるからである。本研究では,広範囲に影響を及ぼし,かつ,頻繁に発生する一次遅延を「遅延の元凶」と名付け,長期間の列車運行実績データからそのような一次遅延を検出するアルゴリズムを構築した。このアルゴリズムは,ある1日の列車運行実績データをある種のネットワークで表現し,問題となる二次遅延からクリティカルパスをたどることによって,遅延の発生元となっている一次遅延を特定する。そして,このアルゴリズムを長期間の列車運行実績データに繰り返し適用することにより,広範囲に影響を及ぼし,かつ,頻繁に発生する一次遅延を検出する。本アルゴリズムを実路線のデータに対して適用した結果,遅延の元凶を正しく検出できることを確認した。