抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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古浦層上部の軽尾東ルートC層準から産出した哺乳類食肉目の2標本の記載を行った。前後長5.38mmで頬舌径4.13mmの遊離した左上顎小臼歯は単根で,第一ないし第二小臼歯の可能性が高い。咬合面観などの特徴からイヌ亜科の中型のものと考えられる。右下顎骨は全長約4.8mmで,筋突起の一部から犬歯の歯槽までが保存されているが,歯冠は全て失われている。犬歯に加え,p1~p4とm1~m2が植立していたやや小型の標本である。下顎体の華奢な形態はネコ亜目ジャコウネコ科に類似するが,確定はできない。古浦層からはカメ類を中心に,魚類,ワニ類,齧歯類などの哺乳類が多量に産出し,四趾性大型哺乳類の足跡化石も確認されている。従来,下部中新統の非海成堆積物からの脊椎動物化石の産出は稀であり,今回の発見は当時の日本列島における陸生脊椎動物の多様性を考える上で重要である。