抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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我々の生活は,様々な設備に支えられているが,それらの社会資本ストックは,2009年度時点で日本全体で約1,700兆円に上る。我々の社会の質を今後とも維持・向上させていくためには,これらのストックの維持更新の効率化を図ることが必須である。このようなメンテナンスの重要性の高まりを受けて,メンテナンスが設備のライフサイクル管理の面から議論されるようになってきた。メンテナンスを設備のライフサイクルを通じて設備に要求される機能を実現するための活動ととらえ,そのための全体最適化を図ろうというものである。本稿では,このような観点から,設備ライフサイクル管理の一環としてのメンテナンス技術を考察した。メンテナンスの目的は,設備に要求された機能を満足できるように設備が実現する機能を維持・改善することにある。設備の生み出す価値を最大化するという設備管理の目的を達成するためには,その目的を直接的に反映した評価システムを構築することで最適な設備ライフサイクル管理を目指すことが重要である。また,その際に検討すべき活動の範囲をO&M(Operation & Maintenance)へ,あるいは,BoL(Beginning of Life),EoL(End of Life)などのライフサイクルの各段階に拡大する必要がある。もう一つ考慮すべきことは,ものの提供から機能の提供へというビジネスモデルの変化である。最近,ものとサービスを統合して提供するPSS(Product Service System)の概念が注目を集めているが,その代表例が製品にメンテナンスサービスを組み合わせて提供するライフサイクル型ビジネスである。航空機エンジンなどはこの典型例で,O&Mやライフサイクルの視点での改善や最適化が収益の源泉になるために,欧米を中心にライフサイクルメンテナンス技術あるいはライフサィクル管理技術の開発が盛んになっている。