抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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燃料の着火性評価には,従来,CCAI値などの着火性指標が使われてきたが,低硫黄の舶用残渣油には適さないという報告もされている。本文では,舶用燃料の詳細な組成分析を行い,燃料のブレンドコントロールがその着火性に及ぼす影響について調査した。本文では,特に低沸点基材である直留軽油(LGO),分解軽油(LCO)の影響について検討し,次のことがわかった。1)GC/MS分析では,添加されているブレンド基材を判断する指標として,LGOはC13~C21の飽和炭化水素,LCOはメチル-,ジメチル-,エチル-ナフタレンを用いることができる。2)LCO添加量,LCO/LGO添加量比が大きくなるにつれ,FCA試験で得られる着火遅れ時間は長くなった。特にLCO添加量がある閾値を超えると,トラブル発生確率は急激に高くなる。3)今回分析を行った実用燃料のうち,減圧蒸留残油(VR)をLCOのみで希釈した燃料(gap fue1)は,5サンプル確認され,高い確率(5サンプル中4サンプル)で機関トラブルを起こしていた。本報告で用いた熱分析法とGC/MS分析法による成分分析は,燃料の燃焼品質の推定,トラブル発生時の原因究明や,実用燃料の品質動向を確認するのに有益である。