抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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日本の伝統的な建築に用いられるこけら葺屋根は,耐用年数を伸ばす目的で板の間に銅板を葺き込む場合がある。この葺込み銅板や他の銅金物が生物劣化抑制にどの程度寄与しているのか,防腐効果はどのようなメカニズムなのかなどは明らかでない。ここでは修理工事の際に採取したこけら葺屋根の一部について劣化め様子を観察し,板に残留する銅元素量を測定して銅板による防腐効果について検討した。銅板の無い領域は腐朽で数段下の板まで変色し陥没している箇所や竹釘に白い綿状の菌糸が付着している場合があった。銅板がある領域は,腐朽によって板表面に木材の繊維方向と垂直方向の細かい割れが発生している箇所あったが,それは下段の板に到達していなかった。蛍光X線分析装置によるCuKα線のピーク強度は銅板に近いほど高く,銅板と接触した雨水が流れにくい領域では低いことから,腐朽の程度と板表面の銅元素量に何らかの関係がある可能性が示唆された。(著者抄録)