抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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現在のエネルギー政策は,政府や事業者など,いわゆる供給側の視点で作られているため,需要側に到達する前に環境中に消えてしまうエネルギー損失の問題は重要視されていない(損失は料金に含まれるので,供給側には節約の必要性は生じない)。一方,供給側でなく,消費者もしくは需要側の視点でエネルギー問題を考えると,目的の用途に応じて最適なエネルギー源が設定され,なるべく経済的にすまそうとする意識が働く。その結果,無駄に使われていたエネルギーは削減され,エネルギー供給量は減少することになる。原子力エネルギーは,専門家が情報や技術を管理し,一般的な人々には不透明で,エネルギーの管理者と使用者が分離することを意味し,結果として,責任の所在までもが分離される可能性を持つ。一方,再生可能エネルギーは,その気になれば誰もが入手でき,エネルギーを生み出すことの難しさ,大切さに気づき,無駄な使い方も自然に下げていく習慣が身につくだろう。自然の英知や他者・次世代への影響の大半は,現在は適切に数値化されているとはいえない。科学的思考はより良い解決策を求めるための手段であるが,技術や数字に振り回されないように,常に本質的な哲学に立ち返る必要がある。机上の議論よりも,市民による直感的で,かつ行動的な意見の方がずっと的確である場合もある。原子力発電に反対し続ける人々は,「反原発は命の問題」と純粋で真直ぐな表現を行っている。