抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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鹿児島県霧島市を南流して鹿児島湾奥部へ流れ込む天降川は東側の国分平野と西側の十三塚原台地との境界に位置する。本論文では,天降川中流・上流域の地形地質について報告し,天降川を挟む国分平野側と十三塚原台地側との地層,特に火砕流堆積物の賦存状況について考察した。天降川の上流及び中流域では下位から,加久藤火砕流堆積物,姶良層1・2,阿多火砕流堆積物および妻屋・入戸火砕流堆積物が重なっている。加久藤火砕流堆積物の層厚にはほとんど変化が無いが,上面の高度は国分沖積平野付近で海抜約60m,十三塚原台地の東端で約220mと,西方に向かって高くなる。この特徴は,加久藤火砕流堆積物の発生と基盤の侵食面の形成とが同時であることを示唆している。一方,入戸火砕流堆積物は下位層の盆状の浸食地形を埋め,火砕流堆積物の表面は平坦である。研究対象地域の西部および東部において,火砕流堆積物の表面は保存され,十三塚原と春山原台地が形成された。これと対照的に,研究対象地域の中心部では火砕流堆積物は川によって侵食され,深い谷が形成された。これらの谷は,一般に北東-南西方向と北西-南東方向に走っており,これらの谷は構造断層に沿って浸食された可能性が考えられる。