抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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中小製造業の戦略的な特徴を捉えようとする研究があるが,そのほとんどは戦略論のパースペクティブに基づいた体系的な調査というよりも,一部の概念やアイディアを採用したものにすぎない。本研究では,中小製造業の競争力を包括的に捉える理論として競争戦略論を中心に位置づけた。競争戦略論は体系的な観察,演繹的な分析とモデル化を行うことを通じた実証志向の戦略研究の1つとして,1970年代に出現した。本研究では,1)競争スコープ(Porter)に関わる戦略はどのような一般次元として捉えられるか,2)競争優位の源泉としての戦略にはどのような次元があり競争スコープに関わる戦略とどのように関連づけられるか,3)競争優位の源泉としての戦略と競争スコープに関わる戦略の中でどのような競争優位が実現されているのか,4)競争スコープに関わる戦略の追及の差に応じて異なるタイプの競争優位を確立することが可能かを調査課題として,理論的に解明するとともに,実証的に検証することで中小製造業における競争優位の戦略メカニズムを明らかにすることを試みた。本稿はその1として,まず,競争戦略論の展開についてレビューし,次に,競争スコープの概念を基礎づけている理論を明らかにした上で次元を構成した。そして,中小製造業における戦略と競争戦略の結びつきについて考察した。