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J-GLOBAL ID：201302256039761890   整理番号：13A1880905

カーボンナノチューブのナノ制約空間を利用した一次元金属化硫黄の合成

Synthesis of one-dimensional metallic sulfur inside the nano-confined spaces of carbon nanotubes

著者 (2件)： 藤森利彦 (信州大 エキゾチックナノカーボンの創成と応用プロジェクト拠点(JST)) ,  金子克美 (信州大 エキゾチックナノカーボンの創成と応用プロジェクト拠点(JST))
資料名： 炭素
巻： 2013  号： 260  ページ： 292-296  発行年： 2013年11月15日 
JST資料番号： G0633A  ISSN： 0371-5345  CODEN： TASOA  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 文献レビュー  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 単体硫黄は,天然資源あるいは石油精製副産物として大量に生産されているが,その用途は,硫酸,ゴムの加硫,肥料など安価な工業薬品が主である。本稿では,硫黄の新しい機能性材料としての可能性を求め,筆者らが行っている最近の研究を紹介した。CNTの一次元チャネル内に硫黄を充填することを試みた。まず,アーク法で作製したSWCNTおよびDWCNTを酸素流通下に熱処理してCNTの両端のキャップを除去,気相法により硫黄を充填した。CNTの外壁付着の硫黄は,二硫化炭素で洗浄除去した。その後真空乾燥して硫黄内包SWCNTおよびDWCNTを得た。その構造,物性のキャラクタリゼーションから次のことが明らかとなった。1)HRTEMによる構造解析から,内包された硫黄は一次元結晶として一次元物質に特有のX線回折ピークを示す。2)DFT計算および共鳴ラマン分光から,内包された一次元硫黄結晶は,金属的である。3)硫黄内包CNTの電気抵抗率は温度とともに低下する。これらの結果からCNTのナノ空間を利用することにより,一次元結晶の硫黄を合成できること,そしてこの硫黄結晶は金属的であることを実験および理論的証拠から示した。

シソーラス用語： *硫黄 ,  *カーボンナノチューブ ,  *包接化合物 ,  気相 ,  結晶構造 ,  *構造解析 ,  *一次元 ,  密度汎関数法 ,  スペクトロスコピー ,  共鳴Ramanスペクトル ,  電気抵抗率 ,  温度依存性 ,  *金属性 ,  共鳴ラマン分光法
準シソーラス用語： DFT計算

分類 (3件)： 硫黄とその化合物  (YB02020L) ,  炭素とその化合物  (YB02060D) ,  分子化合物  (CE02000C)

引用文献 (30件)：

• 1) U.S. Geological Survey, 2013, Mineral commodity summaries 2013: U.S. Geological Survey, p. 198.
• 2) R. Steudel and B. Eckert, Top. Curr. Chem. 230 (2003) 1-79.
• 3) M. Springborg and R. O. Jones, Phys. Rev. Lett. 57 (1986) 1145-1148.
• 4) M. Springborg and R. O. Jones, J. Chem. Phys. 88 (1988) 2652-2658.
• 5) J. Schenk, Physica 23 (1957) 325-337.

タイトルに関連する用語 (4件)： カーボンナノチューブ ,  制約 ,  金属化 ,  硫黄