抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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カキのポット栽培は,栽培開始翌年には収穫でき,3年目には成園化が可能となる技術であること,樹高が2mほどで脚立を必要としないことから,今後の栽培法として期待されている。そこで,憤行栽培と比較した場合のポット栽培の軽労・省力程度を明らかにするため,カキ栽培作業の2割程度を占める摘蕾作業について調査した。高さ別では,ポット栽培には品種「刀根早生」,慣行栽培には品種「平核無」を供試し,作業時間および作業強度を比較し,作業時間,作業強度および作業姿勢の比較では,ポット栽培には「富有」,「西浦」を,慣行栽培には「上西早生」を供試し,作業時の心拍数,作業時間等を調査した。また,初心者と熟練者の比較も合わせて調査した。その結果,憤行栽培の脚立を必要とする場合の心拍数増加率が,脚立を必要としない慣行栽培低区やポット栽培に較べ,高い傾向が見られた。ポット栽培における1蕾当たりの作業時間は,慣行栽培と比較して熟練者で19%,初心者で17%削減された。作業姿勢割合について,熟練者と初心者の間に大きな差は見られなかった。ポット栽培は,着蕾位置が作業者の胸より下にある割合が慣行栽培より高く,作業効率の良い身長比0.6~ 0.8の高さでの作業が多いこと,腕を上げた状態での作業が少なく,肩や首等への疲労が少ないなどの効果が考えられた。したがって,熟練者と同様に初心者にも軽労・省力化効果が確認されたことから,新規就農者にも導入しやすい技術であることが示唆された。