抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
微小管(MT)の蛋白質サブユニットであるチューブリンはα/βヘテロ二量体である。本章において,チューブリンおよびその関連蛋白質の異なる型の構造および機能に関する近年の報告に部分的に基づいて,チューブリン分子の進化に関する仮説が提出されている。集中研究は三つの主要な領域に対して行われている。1)脊椎動物β-チューブリンアイソタイプの進化。これらのアイソタイプ内の関連性に関する明白な考えを提供することに加えて,近年のデータはチューブリンがMTに含まれない機能を持っており,分離されたα/β二量体あるいは非MTポリマーとして機能できることを示唆している。2)チューブリンα,β,γ,δ,ε,ηおよびその他だけでなく,他の様々な原核生物蛋白質も含む全チューブリンスーパーファミリーの評価。これら全ての蛋白質の共通祖先が,核酸および/あるいは細胞膜に力を加えるGTP加水分解のエネルギーに用いられる繊維状の湾曲ポリマーであり,この共通祖先が最初の細胞と同時代であったかもしれないことを,この仮説は提示している。様々なシャペロン,モーターおよびMT関連蛋白質がチューブリンと共進化し,それらの歴史はチューブリンの進化を照らし出す。α-およびβチューブリンにある枝分かれした高度に負に荷電したC末端ドメインは,チューブリンに比較的最近加わったらしい。3)C末端ドメインが前生物的起源であり,その遺伝子が徐々にα-およびβ-チューブリンのそれに融合することで蛋白質の役に立つ特定の代謝機能を発達させたという仮説が提出されている。最後に,これらの仮説の可能性に光をあてることができる,幾つかの実験が提出されている。Copyright 2013 Elsevier B.V., Amsterdam. All rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.