抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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現在,観光産業は国家的な成長戦略の柱と目され,大きな経済波及効果,雇用効果が期待されている。そして観光学部または観光学科を擁する大学は40を超え,毎年4000超の卒業生を社会に送り出すまでになっている。そこで,本稿では,観光ホスピタリティの研究教育に関して,米国式アプローチの中核を担うマーケティングとミッション・ステートメントの問題につき,方法論の議論と実例の分析を行った。最初に,日米の観光ホスピタリティ研究教育を比較し,マーケティングとの関連であり得べき方法論を述べた。その上でコーポレート・ミッションの重要性,ミッション・ステートメントの要件,競争地位との関連をまとめ,米国の実例を検討し,最後に日本の実例を検証して観光ホスピタリティ研究教育への示唆を求めた。その結果をみると,日本の観光ホスピタリティ産業でのミッション・ステートメントは甚だ未整備の状況にあり,コーポレート・ミッションに対する意識が低い印象を禁じ得ない。雇用の流動性や国際性の高まった今日,公平性や社会性を担保すべくミッション・ステートメントの作成は猶予を許されない。また観光ホスピタリティ産業における規制緩和や競争激化は,ミッションすなわち企業の存立自由自体の見直しを迫っている。このような問題意識に基づくと,観光ホスピタリティの研究教育ではコーポレート・ミッションの現状を分析し,その意義を訴えていくべきと考える。