抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では,ガス相のベンゼン,トルエン,エチルベンゼン,キシレン(BTEX)の精製のために,繊維状活性炭(FAC)/酸化チタン(TiO
2)複合材料へのUV発光ダイオード(UV-LED)の適用性を評価した。実験では直径が異なる2個の耐熱ガラス製の円筒を接続し,接続部にFACあるいはFAC/TiO
2を配置し,上部の容器内に22個のUV-LEDを配置したリアクタを試作した。上部の容器へBTEXを含む標準ガスを導入し,下部の容器中のBTEXを測定することにより,FAC/TiO
2の除去能力を測定した。実験では最初にFACとFAC/TiO
2のX線回折実験を行うとともに,走査型電子顕微鏡で形態観察を行った。測定項目は供給ガスのBTEX濃度に対する出力ガスのBTEX濃度の比(除去率),ベンゼンとトルエンの破過時間のガス流量,FAC上にコーティングされたTiO
2の量,UV-LEDの強度への依存性であった。実験の結果,以下の結論を得た。FAC/TiO
2のX線回折パターンにより,FAC/TiO
2の光触媒機能はTiO
2と同様であることを確認するとともに,SEM分析の結果はTiO
2光触媒がコーティング法の適用で支持材料の表面に含浸させられていることを示していた。FAC/TiO
2複合材料へのUV-LEDの適用はBTEXの除去効率を向上させた。FAC 単独の場合と比較して,FAC/TiO
2複合材料から得られる時系列比が目標化合物の長い除去時間を示すという発見はこの主張を支持する。ベンゼンとトルエンの破過時間は流速の増加により減少するが,ここで使用した実験条件では,光強度の増加により破過時間は増加した。逆に,実験結果は最適なTiO
2の重量がFAC/TiO
2複合材料を使用したベンゼンとトルエン除去のための現在の検討で使用した範囲内に存在することを示唆していた。