抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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太陽光発電(PV)の平滑化効果はPVの出力変動を把握する際の重要な要素であり,その評価について様々な研究が行われてきた。日射強度の変動は,太陽高度,大気での吸収・散乱・反射,雲による散乱・反射など様々な要因に影響されるが,特に雲による影響が大きいと考えられる。これまでに,日射変動データを時系列信号と見なし平滑化効果について分析した事例として,相互相関関数を用い分析を行った検討があり,日射変動が大きい日にも平滑化が効きやすい日と効きにくい日があることを,相互相関関数を用いて明らかにするとともに,雲のサイズが平滑化効果の大小に効くことを例示している。これに対し,本論文では,相互相関関数の代わりに自己相関関数を用い,新しい日射変動の解析手法を提案した。そして,実測データの解析から日射強度の変動と平滑化効果の関係に関して定量的な分析考祭を行った。また,日射強度の変動と雲のスケールとの関係について考察を行い,雲のスケールと平滑化効果の関係を議論した。その結果,日射強度の変動パターンはその自己相関関数をe
-δ|τ|により近似した時のパラメータδを用いて特徴づけられること,平滑化効果と日射強度の変動パターンから求めた変動のスケールを表すパラメータδの間には強い相関があることを示した。これは,パラメータが雲のスケールに左右されることを考えれば,平滑化効果が雲のスケールと相関があることを表していると考えられる。また,日射強度が短周期で変動する場合に平滑化効果が顕著となるが,日射強度が長周期で変動する場合には平滑化効果があまり効かない傾向があることも示した。