抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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「競争劣位防止戦略」とは,競争戦略への追従やアライアンスに必須の業務レベルを事前に確保する戦略である。また,サプライヤー,製造業,卸売業,小売業が,需要情報に合わせて最適な時に最適な量だけ生産・供給するものがサプライチェ-ンといえる。本研究では,流通業を対象とし,中でも中間に位置する卸売業の立場から,サプライチェーンについて考察した。まず,競争劣位防止戦略について説明した後に,卸売業の役割・課題・標準的な業務と情報システムの役割について述べ,それらを勘案し,サプライチェーンにおける卸売業の参画要件を,基本的参画要件と応用的参画要件に分けて考察した。基本的参画要件としては,1)POSデータ等の収集・伝達,2)供給計画の短サイクルでの見直,3)欠品と在庫の削減の両立,4)超短納期物流,5)ローコストオペレーション,6)情報システムの整備がある。応用的参画要件としては,1)POS情報等の分析への貢献,2)製品企画への貢献,3)商習慣や業務標準化への貢献がある。そして,サプライチェーンにおいて卸売業が生き残るための競争劣位防止戦略について,1)受注,2)物流,3)発注,4)情報システムについて具体的に考察した。競争劣位防止戦略は卸売業の生き残りの必要条件ではあるが,十分条件ではない。