抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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既存のテキストのみからなる辞書に対し,インターネット上にある膨大な画像を関連付けることができれば,文字列情報からだけでは得られない,視覚的な情報を利用できるようになり,用途が広がると期待できる。そのため,本稿では,辞書の出来る限り広い語義に対して画像を付与することを考える。作成・維持コストを考えれば,なるべく自動的に画像を付与することが望ましいが,大量の辞書エントリに対して,高い精度で画像を付与することは容易ではない。また,そもそもどういった語義には画像を付与できるのか,あるいはできないのかといった調査が大規模になされた例はなく,画像が付与できる語義を自動的に判別することも困難である。そこで本稿では,まず語義別に画像が付与された辞書を人手で構築することを第一の目標とする。その上で,画像が付与できる語義とできない語義について,品詞や意味クラスとの関連性に着目して分析する。具体的には,名詞,動詞,形容詞,形容動詞,副詞を含む25,481語,39,251語義を対象に画像付与実験と分析を行ない,その結果,全語義の94.0%は画像付与が可能であること,品詞や意味クラスに応じて画像付与の可否が変わることを示す。また,幅広い語義に適切な画像を付与するため,インターネットから画像検索によって画像を獲得する。検索時に重要となるのが検索語である。本稿の第二の目標は,語義毎に適切な画像を得るための検索語を調査することである。本稿では,複数の検索語の組合せ(以下,検索語セット)の中から最も適切な画像を得られる検索語セットを作業者に選択してもらい,適切な検索語セットがない場合には修正してもらう。こうして最終的に利用された検索語セットを分析し,提案手法の改良点を探る。さらに,検索語セットの優先順位の決定方法も提案,その妥当性を示すことを本稿の第三の目標とする。新しい辞書への適用等を考えると,人手による画像付与ができない場合でも,優先順位の高い検索語セットによる検索結果が利用できれば,有用だと考えられるからである。提案手法では,対象語義がメジャーな語義かどうかで優先順位を変化させる。実験では,2種類の評価方法を通してその妥当性を示す。(著者抄録)