抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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閃亜鉛鉱((Zn,Fe)S)の粉砕過程でその鉱石による,酸素よりも強い酸化剤である過酸化水素(H
2O
2)の生成について調べた。閃亜鉛鉱は湿式粉砕過程及びフレッシュな粉砕固体が乾式粉砕後直ちに水中に置かれた時も,パルプ液中にH
2O
2を生成することが観察された。湿式粉砕か乾式粉砕のいずれかにおけるH
2O
2の生成は,閃亜鉛鉱と水との間の反応によるためであると考えられた。そこでは鉱物表面が触媒活性を有し,水分子を破壊することによりOH遊離基が生成する。閃亜鉛鉱によるH
2O
2の生成に対するpHの影響によると,酸性pH値がより多くのH
2O
2を発生させることを示した。閃亜鉛鉱と黄鉄鉱,黄銅鉱及び方鉛鉱の混合物についても,H
2O
2の生成を調べた。黄鉄鉱-閃亜鉛鉱,あるいは黄銅鉱-閃亜鉛鉱,あるいは方鉛鉱-閃亜鉛鉱混合物で黄鉄鉱あるいは黄銅鉱の割合が増加するとともに,H
2O
2濃度が増加することが示された。しかし,方鉛鉱の割合の増加によってはH
2O
2の濃度は減少した。また,ガルバニック相互作用に加えてパルプ液中で混合物中の1つの鉱物が他の鉱物よりも酸化あるいは溶解が生じることも,H
2O
2生成の程度で説明できる。特定の鉱物によって作り出されるH
2O
2の量が硫化鉱物の静止電位列を決定するため,H
2O
2は硫化物の酸化あるいは広く報告されたガルバニック相互作用を助長することで大きな役割を果たしている。この研究は,閃亜鉛鉱と黄鉄鉱,黄銅鉱,方鉛鉱の間の電気化学的相互作用および/あるいはガルバニック相互作用メカニズムにおけるH
2O
2の役割を見直す必要性に焦点を当てた。Copyright 2013 Elsevier B.V., Amsterdam. All rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.