抄録/ポイント：
抄録/ポイント
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開水路用水車は導水付帯設備を不要とし,比較的低落差での発電に適しているが,その多くは取水堰を備え,また,回転速度が低いため,大型化する傾向がある。発電設備は現地に固定化し,設置場所も限定される。そこで,本稿では取水堰を必要とせず,河川や用水路などの開水路流れに適応できる,全く新しい可搬式開水路用水車を提案した。本水車はつば付きディフューザ風車の原理を利用した,軸流羽根車と高さ方向一定のディフューザ部を持つ集水装置を付加した構造である。本報ではこの特殊な集水装置を有する軸流水車の開発を目的として,羽根車単体,集水装置単体,および羽根車と集水装置複合体の性能と流れ場を数値解析により明らかにした。さらに,本水車の有効性を検証するため,実水路における実証試験を行なった。結論として,最良取水装置性能(増速比)を示すノズルおよび長いつば形状に対する計算モデル,羽根車に集水装置を付加した場合の増速比および負荷係数と出力係数の関係,および,開発試作機の実水路における,回転速度および水車出力等,について知見を得た。
