抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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わが国のし尿処理の歴史的背景を含め,神奈川県におけるし尿処理施設がこれまでどのような変遷を辿ってきたのか,その概要を解説した。し尿処理施設は汲み取り便所や浄化槽などから収集したし尿及び浄化槽汚泥等を処理し,衛生的な安全化,生物化学的な安定化,最終処分量の減量化を図るための施設で,昭和30年代から日本各地に建設されるようになり,特に神奈川県は技術向上に全国的にも先進的な役割を果たしてきた。最盛期には県内に30施設あったし尿処理施設も,下水道の普及によって大幅に減少し,平成22年で14施設にすぎない。しかも,このうち下水道放流せずに二次処理以上の処理を行い公共用水域に放流しているのは,6施設だけである。また,平成9年度には,従来し尿処理施設が担ってきた機能に,汚泥や生ごみ等の有機性廃棄物の再生・資源化設備を加えて循環型社会構築を可能とした「汚泥再生処理センター」の構想が厚生省より立ち上げられ,国庫補助対象となり,平成10年度以降はし尿処理施設は補助対象から外された。今後は,神奈川県でも同センターへのリフォームが進展することになるだろう。今後の技術開発としては,膜分離高負荷生物脱窒素処理方式をベースにした,さらに効率的経済的で,しかも資源循環的な究極のし尿処理方式が想定される。