抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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高強度超短光パルスが光ファイパなどの透明媒質中を伝撒時に発生する超広帯域化の現象はスーパーコンティニウム(SC)スペクトル光として知られている。この現象は,光が狭いファイバコアに閉じ込められて実効強度が高くなり,高次非線形効果の複合過程で生じると考えられる。さらに,ファイバの分散値が低ければ,分散による伝搬中のパルスの幅が広がる効果を抑制して伝搬中のパルスのピークパワー低下を抑え,長い伝搬距離において高い非線形効果を持続できる。SC光はその特徴から超高速応答現象の解明やそれらを駆使したデバイス構築ために必須なツールである。通信波長帯では,高密度波長分割多重光源として研究されており,1500nm波長帯のSC用ファイバとしては,波長分散特性がフラットで長手方向に減少する分散フラット-分散減少ファイバが数多く検討されてきた。可視光領域においても,石英ファイバのクラッド領域を光の波長と同程度の周期で規則的に配列した空孔を形成することによって,波長分散(群速度分散:GVD)特性を制御した可視波長城においてゼロ分散値を有するフォトニック結晶ファイバ(PCF)が開発され,SCスペクトルが観測された。最近では,1500nm通信波長帯と可視波長帯の間を埋める1000nm波長帯でも,高強度の超短パルス光源が容易に得られ,その超短パルス光によるSC発生やそのSC光を用いた応用についても盛んに研究されている。本稿では,PCFのGVD特性がSC発生光に及ぼす影響を,異なるPCFについて,同一光源を用いそれぞれの入射光特性を調べた。すなわち,ゼロ分散を跨ぐGVD特性を有するPCFと非線形係数が大きくゼロ分散の極値を持つGVD特性を有する2種類の低分散PCFを用いたSC発生において,ファイバ長,入射パルスのパワー,パルス幅,チャープ量を変えてSCスペクトル分布にどのように影響するかを調べた。その結果,ゼロ分散を跨ぐGVD特性を有するPCFよりも,非線形係数が大きくゼロ分散の極値を待つGVD特性を有するPCFの方が低パワーで効率よくSC発生することがわかった。ゼロ分散を跨ぐGVD特性を有するPCFを使用する場合は,入射パルス幅を狭くするとSC発生幅は広がるが,スペクトル平坦性に問題が生じることがわかった。さらにそのPCFを使用する場合は,入射パルスのチャープに敏感であることがわかった。