抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
降雨や乾燥の長期的な傾向を考慮した場合,畑地の排水や保水に関して,今後一層の注意が必要である。また畑地における適切な土壌管理の在り方を考えた場合,土壌の保水性や排水性,および土壌硬度に及ぼす耕耘の影響を評価することも重要である。そこで東京農業大学生産環境工学科試験圃場において,地下水位の影響を受けない条件で,枠畑圃場表層の土壌硬度,保水性,排水性を調査した。明らかになったことは以下の通りである。1)耕耘は粗間隙率の増加,およびそれに伴う飽和透水係数の増加と,土壌硬度の減少に寄与した。また,それらのばらつきを小さくし,均一にする効果があった。2)十分な降雨があっても表層は過湿にはならず,降雨翌日ないしは翌々日の地表面付近のマトリックポテンシャルは-0.30mとなり,表層での排水が終了して上向きの水移動が生じる際のマトリックポテンシャルは-0.30~-0.40m,飽和度は74~75%であった。表層の排水が終了するのに6日を要した。3)粗間隙率のわずかな減少によって飽和透水係数が大きく低下することから,排水性を悪化させないよう注意する必要がある。4)乾燥が続いた場合,地表面近くでは土壌のマトリックポテンシャルが生長阻害水分点近傍まで低下したことから,土壌面蒸発を防ぐマルチの施用などが有効であると考えられる。(著者抄録)