抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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個人用産業用を問わずインクジェットプリンタにおいては,印刷スピードの高速化が重要課題である.印刷スピードの向上には,インク吐出用の微細なノズルをより多く備えた大型のプリントヘッドを用いることが有効な一つの手段となる.プリントヘッドは,精密な形状を持つ複数の板状のプレートを積層した構造から成る.この構造を用いてプリントヘッドを大型化すると,各プレートを構成する部材の線膨張係数の違いによりインク吐出部を形成するノズルプレートが時間の経過と共に変形する.変形したノズルプレートはインク吐出方向を不安定にして,プリント品質を劣化させる.そこで,ステンレス製ノズルプレートの変形を抑制するために,ノズルプレートと接合しているキャビティプレートの部材を従来から使用されていたシリコンからニッケルに変更して,基本性能を評価した.キャビティプレートの部材をニッケルに変更することにより,ノズルプレートの反りが低減された.しかしながら得られたプリントサンプルを観察すると,一部にドットサイズのばらつきによる濃度むらが肉眼で認められた.筆者らは,この濃度むらはインク滴の重量の大きなばらつきに起因するもので,インク滴の重量ばらつきが圧力室の深さのばらつきとキャビティ厚みに相関があると考えた.実験にて,圧力室の深さとその位置,インク滴の重量,キャビティ厚みについて測定を行った.キャビティプレートの工法を一部変更することにより,濃度むらは肉眼で認められない水準にまで到達した.ドットサイズのばらつきによる濃度むらの主原因は,圧力室の深さとインク滴の重量ばらつきにあることを解明することができた.(著者抄録)