抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ダイヤモンドは物質の中で,最も高い硬度と熱伝導度を有する。また,立方晶窒化ホウ素(cBN)は,ダイヤモンドに次ぐ硬度と熱伝導度を持ち,熱的化学的安定性,および鉄との耐反応性はダイヤモンドを凌ぐ。このように優れた特性から,ダイヤモンドやcBNは硬質材料として広く産業に利用され,これらの粉末は研磨材や切削材として,またダイヤモンドの焼結体は主に非鉄金属の加工,そしてcBNは鉄系材料の加工に用いられてきた。本稿では,超高圧高温下での直接変換によるこれらの超硬質材料の合成とその機械特性を評価した結果を報告する。静的超高圧高温下で,高純度hBNおよび黒鉛から直接変換焼結法により,単相の超硬多結晶cBNおよび多結晶ダイヤモンドを巧く合成することができた。7.7GPa以上の圧力下において,2200~2400°Cで合成した多結晶cBNは,0.5μm以下の均質な微細結晶粒によって構成されている。15GPa以上の圧力下において,2200~2400°Cで合成した多結晶ダイヤモンドは,サイズが数十ナノメートルの非常に小さいダイヤモンド結晶粒から成る均質な微細構造を持つことが分かった。多結晶のcBNおよび多結晶ダイヤモンドは,単結晶の材料よりもかなり高い硬度を持っている。抗折強度(TRS)は,従来の多結晶cBNおよび結合剤を含むダイヤモンドの抗折強度よりも大きく,従来のTRSが低下する800~1000°C以上において正の温度依存性を持つことが分かった。このようにして合成した多結晶cBNおよびダイヤモンドは,二次相を全く含まない微細構造と優れた機械的特性を有するので,次世代の高精度?高効率の切削工具材として大いに期待されている。